ホット/ウォーム/コールド・スタンバイなど、バックアップ・サーバーのライセンス管理

データセンターのサーバー・ソフトウェアのライセンスの管理は、言うまでもなく非常に困難な課題です。 課題の 1 つは、バックアップ・サーバーに関連したライセンス利用規約と運用環境の管理です。 まず、ホット、ウォーム、コールドというバックアップ・サーバーの「温度」について理解しておく必要があります。 ライセンス要件は、通常、対象となるバックアップの種類に応じて異なります。 また、ライセンス利用規約の内容もメーカーや製品によってそれぞれ異なります。

では、ホット、ウォーム、およびコールド・バックアップ(または「スタンバイ」)サーバーという用語の意味を定義してみましょう。 また、アクティブ・フェイルオーバーやパッシブ・フェイルオーバーとは何かについても確認します。

  • ホット・バックアップ・サーバー(「アクティブ・フェイルオーバー」と呼ばれる場合もある):運用稼働中の本番機サーバーから定期的に更新情報を受信し、運用サーバーがダウンするフェイルオーバー・イベントが発生した場合に、ただちに処理を引き継ぐために常時稼働状態で待機している(ホット・スタンバイ)サーバーです。 プライマリ(本番機)システムとセカンダリ(ホット・バックアップ)システムは同時に稼動することができ、セカンダリ・サーバーへのデータのミラーリングはリアルタイムで行われるので、両方のシステムにはまったく同じデータが存在することになります。 多くの場合、本番機サーバーのライセンスに追加して、ホット・バックアップ・サーバーのライセンスが必要になります。
  • ウォーム・バックアップ・サーバー(「パッシブ・フェイルオーバー」と呼ばれる場合もある):起動はしているが、アイドル状態で「実際の処理」は何もしていないか、バックアップの対象サーバーからの更新情報を受信するために定期的に起動されるサーバーです。 ウォーム・サーバーは、「レプリケーション」や「ミラーリング」によく使用されます。ウォーム(ミラー)サーバーのデータとプライマリ(本番機)サーバーのデータは、完全にはシンクロされていない場合があります。 ウォーム・バックアップ・サーバーのライセンスが必要かどうかは、ベンダー、アプリケーション、対象のライセンス契約によって異なります。
  • コールド・バックアップ・サーバー:障害が発生して、ディザスタ・リカバリ(DR)モードに切り替える必要があるまで、起動されないサーバーです。 通常、コールド・バックアップ・サーバーには、ライセンスを割り当てる必要はありません。

特定ベンダーの事例 – Microsoft の場合

一般的に、Microsoft では、サーバーでソフトウェアのインスタンスを実行している場合に、そのサーバーのライセンスが必要になります。ソフトウェアの「インスタンスを実行する」というのは、メモリーにインスタンスをロードし、1 つ以上の命令を実行することを意味します。 インスタンスを一度実行すると、(その命令が実行され続けるかどうかに関係なく)メモリー上から削除されるまで、インスタンスは実行中であると見なされます。

Microsoft は、ソフトウェア・アシュアランス・プログラムの一環として、ディザスタ・リカバリ時のコールド・バックアップのプログラム特典を提供しています。 Microsoft のサーバー・ソフトウェア(Windows Server を含む)では、1 つのライセンスで本番機サーバーとコールド・バックアップ・サーバーの両方にソフトウェアをインストールするためには、ライセンスに対する有効なソフトウェア・アシュアランスが必要です。 また、ソフトウェアに必要なすべてのクライアント・アクセス・ライセンス(CAL)に対するソフトウェア・アシュアランスも必要です。 以下の条件に従う必要があります。

  • コールド・バックアップ・ディザスタ・リカバリ・サーバー上のソフトウェアは、そのソフトウェアの製品使用権を遵守している必要があります。  
  • 本番機サーバーと同じクラスタ内にサーバーを配置することはできません (注:これは仮想マシン(VM)および物理サーバーにも適用されます)。
  • ソフトウェアのアップデート(パッチの適用)またはテストの場合を除き、コールド・バックアップ・ディザスタ・リカバリ・サーバーを起動することはできません。 障害が発生した場合は、ディザスタ・リカバリの目的でサーバーを起動することができます。
  • 障害からの復旧時には、コールド・バックアップ・ディザスタ・リカバリ・サーバーと本稼働中のインスタンスを同時に実行できます。 上記の場合を除き、ディザスタ・リカバリ・サーバーは、常時停止状態(電源未投入)にしておく必要があります。

Microsoft は、SQL Server 2012 用のパッシブ・フェイルオーバー権を提供しています。 パッシブ SQL Server インスタンスは、SQL Server データをクライアントに提供していないインスタンス、またはアクティブな SQL Server ワークロードを実行していないインスタンスです。 フェイルオーバーに使用されるセカンダリ・サーバーは、完全にパッシブである限り、SQL Server に対するライセンスの割り当てを必要としません。 この SQL Server 用のパッシブ・フェイルオーバー権には、そのアプリケーションに対する有効なソフトウェア・アシュアランス(SA)は必要ありません。 ただし、SA がない場合、最後の割り当てから 90 日以内は SQL Server ライセンスの再割り当てができないという 90 日間の移動制限の対象になるので注意が必要です。 SA のライセンス・モビリティ権がある場合は、90 日間のルールを気にせずに、バックアップ・サーバーによるフェイルオーバーを実行してから、元の本番機サーバーに戻ることができます。

コア・ライセンス・モデルで SQL Server 2012 のライセンスを割り当てる場合、コア・ライセンスの数は、より多くのライセンスが要求されるサーバー(本番機またはフェイルオーバー・マシン)に基づいて計算されます。

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アクティブ/パッシブ 12 個のコア・ライセンスが必要 追加のライセンスは不要 合計 24 個のコア・ライセンスが必要 この図は、コア・ファクタを 1 とした場合のアクティブおよびパッシブなセカンダリ SQL Server 2012 データベースのライセンスの割り当て例を示しています。

(図の出典:Microsoft SQL Server 2012 ライセンス・ガイド)

上の図に示されているように、アクティブな SQL Server フェイルオーバー・マシンには、そのマシンに対してライセンスの割り当てが必要なのに対し、パッシブなフェイルオーバー・マシンには、前述したとおり、追加のライセンスを割り当てる必要はありません (このトピックの詳細については、『Microsoft SQL Server 2012 ライセンス・ガイド』を参照してください)。

 
サーバーの役割によるライセンス適用除外の管理

使用中のバックアップ・サーバー・モデルの種類のほかに、特定のサーバーには、テスト/QAやトレーニング用など、非運用用途の役割があります。 ソフトウェア・ライセンス最適化ツールを使って、サーバーの役割に基づいたライセンス適用除外のプロセスを自動化できます。 「適用除外」により、サーバーにはライセンスが必要なくなります。たとえば、ほとんどのコールド・バックアップ・サーバーではライセンスが不要となります。 サーバーの役割を定義すると、ライセンスの突合/整合化でサーバー・ソフトウェアに対する製品使用権が自動的に適用されます。これには、コールド・バックアップやパッシブ・フェイルオーバー権なども含まれるため、それぞれのライセンスの消費の削減が可能となります。 

このトピックに関する次のブログでは、高可用性環境での IBM のライセンスについて解説します。

Flexera のソフトウェア資産管理およびライセンス最適化ソリューションの詳細については、製品デモのビデオ「FlexNet Manager Suite 製品デモ・ビデオ」をご覧ください。

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