IBM のライセンス・コンプライアンス違反のコストが上昇

The Register の最近の記事では、IBM が2014 年末に向けて行ったパスポート・アドバンテージ・プログラムの変更について紹介しています。 同記事では、IBM の顧客にとって IBM ソフトウェアのインストールについて正確な記録を維持し、ライセンス契約を順守し続けることが今までに増して重要になっていると指摘しています。 現在、パスポート・アドバンテージでは、次のような表現となっています。

「クライアントの記録が、IBM サブスクリプション & サポート、または特定サポートの利用料を決定するには不十分である場合、今後は、超過使用に対する IBM の課金に、2 年間分の関連保守契約、IBM サブスクリプション & サポート、または特定サポートが含まれることになります。」

つまり、IBM による監査を受け、契約違反(「超過使用」)が見つかり、IBM ソフトウェアの使用に関する正確な記録を作成できない場合、契約を再開するためのライセンス調整コストに加え、2 年間の保守契約料に相当する滞納金も支払わなければならない可能性があるということになります。

IBM ライセンスの順守状況を追跡し続けるのは、きわめて困難です。 たとえば、IBM のプロセッサ・バリュー・ユニット(PVU)ライセンス・モデルの場合、フルキャパシティとサブキャパシティ(仮想環境)の 2 つのライセンスがあります。 サブキャパシティ・ライセンスは、サーバーのすべてのプロセッサコアにライセンスが必要なわけではないため、IBM ソフトウェアにかかるコストを抑えることができる一方、IBM ライセンスの管理がより複雑になるという問題点があります。

下の図を見るとわかるように、WebSphere Application Server(WAS)のフルキャパシティ・ライセンスの場合は 8 個のコアに PVU ライセンスが必要なのに対し、サブキャパシティ・ライセンスの場合は 4 個のコアのみのライセンスだけで済むため、両方の場合ともプロセッサコアのタイプが同じであると仮定した場合、コストが半額になります。

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ほとんどの仮想サーバー環境には、vMotion(VMware)などのテクノロジが採用されているので、仮想マシン(VM)をある物理ホストからクラスタ内の別の物理ホストへ移動することができます。 このようなサーバー・クラスタでは、IBM PVU ライセンスの「ハイ・ウォーター・マーク」と呼ばれる値を算出できることが求められます。つまり、クラスタ内のすべてのサーバーのうち最もコストの高い構成に対するライセンスが必要になるということです(下の図を参照)。

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さらに、「ホスト・アフィニティ・ルール」についても考慮しなければならない場合があります。 このルールは、特定のアプリケーションを実行している VM が使用できる、クラスタ内のサーバーを指定するものです。 IBM PVU ライセンスの消費量を計算するときは、このホスト・アフィニティ・ルールを考慮に入れる必要があります。 

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このような複雑さをすべて考えれば、自動化されたライセンス管理ソリューションが必要なのは明白です。 Flexera の IBM 用ソフトウェア・ライセンス最適化ソリューションである FlexNet Manager for IBM の詳細について、Flexera の Web サイトをご覧ください。 現在、FlexNet Manager for IBM のサブキャパシティ・レポートは、IBM ILMT、TADd、および IEM SUA の代替手段として IBM から承認を受けています。

IBM ライセンスの管理に関する詳細については、以下のオンデマンド Web セミナーをご覧ください。 

Understanding the Ins and Outs of IBM License Management to Drive Maximum Value(最大限の価値を引き出す IBM ライセンス管理の特徴を理解する)

How to save money on your public cloud infrastructure(パブリック・クラウド・インフラストラクチャを活用したコストの削減方法)

筆者:Daniel Galecki

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クラウド・コンピューティング市場全体における昨年度(2015 年)の収益は 1,210 億ドルに達し、年 26% の割合で成長を続けています。 パブリック・クラウド・サービスには、魅力的な価値提案があります。 IT 部門はパブリック・クラウド・サービスを利用することで、長年、ハードウェアとソフトウェアの保守やアップグレードに予算のほとんどを費やしてきたデータセンターの運用業務から解放されます。 その代わりに IT 部門は、イノベーションに重点的に取り組み、業務をサポートする効果的な方法を追及することが可能になります。

クラウドベースの Windows サーバーや Linux サーバーであれば、1 時間あたりのコストは 1.00 ドル未満で収まり、1 年間使い続けても、サーバーのコストを 8,800 ドル(6,152 ポンド)未満に抑えることができます。 クラウド・サービスによって不要となるハードウェア、設置場所、電力、冷却などのコストと比べた場合、1 時間あたり 1.00 ドルというのはきわめて割安です。 これは、ユーザー 1 人あたり月額で 64 ドル(45 ポンド)かかる(1 日に換算すると約 2.13 ドル)CRM アプリケーションなどの SaaS アプリケーションとの比較でも同じことが言えます。 クラウドで CRM アプリケーションを使えば、ハードウェアおよびソフトウェアの保守やアップグレードを気にする必要もありません。

このように、クラウド・サービスに多くのメリットがあることは疑う余地がありません。

Infrastructure as a Service(IaaS)では、必要なときだけ費用を負担すればよいので、テスト作業には最適です。恒久的なハードウェア機器を購入して、ほとんどの時間に遊ばせておくといったことは必要ありません。 必要な時間だけクラウド・インスタンス(通常は仮想マシン)を有効にすれば良いのです。 インスタンスを無効にすれば、利用料は発生しません。 ところが、私たちは仮想マシンを無効にすることに慣れていません。そのため、多くの企業は、実際の必要以上にクラウド・サービスの利用料を支払っています。 無駄に使用することのコストは 1 時間あたり 1 セント程度と小さいように見えますが、 大規模な組織では何百、何千時間にも及ぶため、コストはあっという間に増えてしまいます。

本稼働環境では、多くの場合、マシンを常に起動しておく必要がありますが、コストを抑える効果的な方法はあるのでしょうか? 実は、あるのです。 クラウドのサービス・プロバイダにもよりますが、サブスクリプションの価格設定オプション(Amazon EC2 など)を利用して「リザーブド」インスタンスの価格を低く抑えることができる場合があります。 純粋なオンデマンド・ベースの価格設定と比較した場合、長い期間で見ると 40~50% と大幅に割安になることがあるため、本稼働環境を継続的に運用している場合は、このような価格設定オプションを検討してみることをお勧めします。

コストを抑制するもう 1 つの方法は、適切なタイプの仮想マシンを使用することです。 仮想マシンを導入する際、大量の RAM と CPU と一緒に導入したくなります。「そのくらいの性能が必要になるかもしれない」と考えるからです。しかし、それほどの RAM や CPU が本当に必要でしょうか。 必要でなければ、より小規模なマシン構成を検討することをお勧めします。 CPU または RAM の要件で、短時間における需要の急増に対応できることが推奨されている場合は、拡張が可能なインスタンスを検討してみてください。 長期的に見れば、コストの抑制につながります。 また、リザーブド・インスタンスがある場合は、追加の「オンデマンド」インスタンスを契約する前に、すべてのリザーブド・インスタンスが使用されていることを確認し、すでにあるキャパシティを有効利用するようにします。

ただし、言うまでもありませんが、IaaS インスタンスを導入すれば他のコストが一切発生しないということではありません。 IaaS を利用する場合、オペレーティングシステムが付属した仮想マシンを利用できます。 ただし、ソフトウェアのインストールは自分で行わなければなりません。 そのため、クラウド環境でソフトウェアのインストールが許可されていることを確認する必要があります。 たとえば、IBM SoftLayer を使用している場合、その環境で Oracle DB を実行することはできません。Oracle DB の実行は、Oracle、Azure、および Amazon のクラウド環境でしか許可されていないからです。 さらに、ライセンスの契約条件は変わることがあるので、常に確認するようにしてください。

また、ソフトウェアに自社が所有しているライセンスを使用すべきか否かも調査する必要があります。サブスクリプションにそのソフトウェア・ライセンスが含まれているクラウド・インスタンスを使用する方がよりコスト効率が高いかもしれません。 一部のソフトウェア・ベンダーが提供するプログラムでは、「所有しているソフトウェアとライセンスの持ち込み」(BYOSL)ができる場合もあります。 その場合、組織は、クラウドへの移行時にオンプレミス・ソフトウェアへの既存の投資を活用できます。 いずれの場合も、クラウド環境で IaaS を介して実行しているソフトウェアに対して、所有しているライセンスを使用する場合、そのソフトウェアのライセンス契約に対するライセンス・コンプライアンスを維持する責任はユーザーにあります。 その点に関しては、自社のデータセンターでソフトウェアを実行する場合となんら変わりはありません。

Software as a Service(SaaS)のメリットも重要であると思われます。 サブスクリプション料金はすべて込みの価格であり、ソフトウェアのアップグレードやインフラストラクチャの問題はありません。 キャパシティ(ユーザー 1 人など)を契約し、単にソフトウェアを使用するだけです。

ただし、SaaS の場合、ソフトウェアの使用方法に関してベンダーが定めたルールを詳しく調べてみると、問題があることがわかります。 一部の SaaS ベンダーの場合、アプリケーションの使用量に関係なく、すべてのユーザーに同じレベルのサブスクリプションを購入することが求められます。 パワー・ユーザーに対しては業務を行ううえで必要な機能を提供しなければならないため、サブスクリプションはその他の使用量の少ないユーザーにはあまり活用されないという結果になります。 さまざまなアクセス・レベルを設定できたとしても、どうすれば適切なサブスクリプション・レベルを適切なユーザーに関連付けることができるのでしょうか。 結局のところ、ユーザーはアクセスできなければ苦情を言いますが、アクセスできるものが多すぎてもそれを教えてはくれません。

クラウド・サービスには間違いなくメリットがありますが、使用するクラウド・サービスのタイプに関係なく、組織は、クラウド・サービスとソフトウェアへの投資を最適化するために、ソフトウェア・ライセンスおよびサブスクリプションの最適化プロセスとテクノロジの導入を検討する必要があります。 このようなツールは、あまり活用されていないインスタンスやサブスクリプションを特定し、ライセンス・コンプライアンスの問題を特定するのに役立ちます。 また、IaaS か、SaaS か、あるいは他のタイプのクラウド・サービスかに関わらず、クラウド・サービスへの投資効果を最大限に高めることができるでしょう。

 

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