資産ライフサイクルのモデリングで資産管理の価値をさらに引き出す

組織はプロセス・モデリングと資産ライフサイクル・メトリックスに徐々に投資していくことによって、ハードウェア/ソフトウェア資産管理プログラムからさらに価値を引き出すことができます。

はじめに

最近のブログ「SAM をサポートする推奨ハードウェア資産管理プラクティス」で、Peter Osang はハードウェア資産管理(HAM)プログラムの情報をソフトウェア資産管理(SAM)プロセスに統合する意義について書いています。

資産のサービス・ステータス、所有、どの業務機能をサポートしているかなど、SAM に関する意思決定に影響を及ぼす可能性のある重要な情報を記録しアクセスできるようにする必要があります。

まず、組織が資産ライフサイクルをどのように管理しているか、そして SAM 実践者にとってライフサイクル中のどのデータ・ポイントが重要なのかを明確に理解する必要があります。

資産ライフサイクルのモデリング

大半の SAM システムは、ソフトウェアがインストールされ実行されるコンピュータ資産に紐づけて(ライフサイクル・)ステータスの管理をサポートしています。これは、資産を簡単に「購入」、「設置」、「在庫保管」、「運用終了」、「廃棄」と記録するだけの場合もあれば、資産がいつ修理や保守のためにオフラインになっているか、いつ構築中または再構築中か、いつ紛失したか、いつ盗難にあったか、いつ製造元に返品したか等がわかるように、詳細に行われることもあります。

以下は、資産ライフサイクルのシンプルなモデリングの例です。

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この例では、組織はコンピュータ資産を、調達からライフサイクル終了までの 5 つの資産ライフサイクル・フェーズで管理しています。各ライフサイクル・フェーズの資産ステータスが管理され、ライフサイクル・データの重要な項目が収集され記録されています。

調達では、資産を購入するためにベンダーに発注します。注文は、資産が納品される前にキャンセルされる場合もあります。

在庫管理:購入した資産をベンダーから受領する際には、検品を行い、受領時の検査に合格しない場合はベンダーに返品します。受領が完了すると、資産は在庫保管になるか、またはソフトウェアをインストール/設定(キッティングとも呼ばれます)してシステム構築を行う技術者に受け渡されます。

運用:キッティング済み資産は、実際に使用する前にアクティブなシステムとして登録する必要があります。通常、ソフトウェアがインストールされ、システムがアクティブに使用され始めると、ソフトウェア資産管理者は、そのシステム上のソフトウェアの使用状況を「ライセンス有効」な状態として管理する必要があります。(「アクティブ」な資産には、ライセンスの要件が特定のベンダーやアプリケーションに依存するホット/ウォーム/コールド・バックアップ・サーバーが含まれる場合もあります。)

アクティブな資産はサービス停止になる場合もあります。また、ライセンシング条件によっては、こうしたシステムにインストールされているソフトウェアを「ライセンス不要」なソフトウェアとして扱う場合もあります。

定期的にコンピュータ資産の保守が必要になる場合もあります。この場合、システムを短期間だけ保守中にし、保守期間の終了時にシステムをオンラインに戻して、インストールされているソフトウェアとサービスを通常通り使用できるようにすることが想定されます。こうした場合、通常は保守期間中も、インストールされているソフトウェアを「ライセンス有効」なソフトウェアとして管理します。

資産を在庫保管または運用終了する前段階として、サービス停止にする場合もあります。

使用終了:使用期間が終了した資産や、不要になった資産は、まず運用終了になり、その後廃棄されます。 

廃棄される資産は、これ以上、組織によって所有されたりリースされたり物理的に保持されたりすることのない資産です。運用終了される資産は、再び稼働、または在庫として保管する計画のない資産です。いずれの場合も、こうしたシステムにインストールされているソフトウェアは「ライセンス無効」のソフトウェアとして扱われる場合があります。ただし、運用終了される資産は、一連のソフトウェア削除/データ・クレンジングの処理を行ってから、第三者(受領者)に売却する必要があります。売却しない場合は、廃棄する必要があります。 

資産ライフサイクル・データ 

その組織の資産管理プラクティスに適した資産ライフサイクル・モデルが整っている状況で、SAM 資産をさらにしっかりと把握するためには、ライフサイクル中のどのデータ・ポイントのデータを収集する必要があるのでしょうか。

まずはシンプルに始めて、収集したデータを蓄積しながら、資産ライフサイクル・プロセスを成熟させることをお勧めします。

最初にすべきことの 1 つは、資産が新しいライフサイクル・ステータスに移行する際のデータを収集し、記録することです。上の例では、以下のデータが記録されています。

  • 購入日
  • 納品日
  • キッティング/登録日(構築日)
  • 在庫日
  • 最終インベントリ日(アクティブであることを確認した直近の日付)
  • サービス停止日
  • 保守開始日
  • 運用終了日
  • 廃棄日
  • 使用終了(EOL)日(その資産の運用終了する予定日)

ライフサイクル中のさまざまなポイントで収集されるその他の重要なデータの例:

  • シリアル番号(そのコンピュータの固有の ID)
  • コンピュータ名
  • 最終ログイン・ユーザー(名前)
  • サービス停止理由
  • 保守理由とサービス・チケット(ID)
  • 運用終了理由
  • 転売額
  • 償却額
  • 受領者(廃棄時)

ライフサイクル・データを KPI やメトリックスの基礎として活用

資産ライフサイクルの定義が完了し、基本的なライフサイクル・データの収集を開始したら、ライフサイクル・データに基づいたメトリックスや KPI からさらに価値を引き出すことを検討し始めることができます。

私が協力しているある組織には、しっかりとした IT 資産管理(ITAM)プログラムがあり、以下のようなメトリックスで状況を追跡しています。

  • アクティブな資産の数 – 少なくとも 1 回はインベントリに掲載されたことのある「アクティブ」な資産の数
  • 30 日間所在が不明なアクティブな資産の数 – 過去 30 日間インベントリに掲載されていないアクティブな資産の数

こうした 2 つのメトリックスの動向を常に確認することにより、ライセンスのコンプライアンス違反や過剰購入の原因になる可能性のある「所在不明」の資産を早い段階で速やかに調査できます。使用中の資産に関する最新のレポートを入手できないからといって、「所在不明」の資産にインストールされているソフトウェアについて法的責任がない訳ではありません。また、不要になったライセンスを回収する機会を逃す可能性もあります。

所在不明の資産を追跡するだけでなく、「在庫保管」や「運用終了」といったライフサイクル・ステータスにある資産が実際に非アクティブな資産であることを確認したいケースもあります。そうした資産が実際は依然としてアクティブな状態にある場合でも、以下の 2 つのメトリックスを確認することで簡単に把握できます。

  • インベントリ報告のある在庫保管中の資産の数 – 在庫保管中で、在庫日以降にインベントリ報告があった資産の数
  • インベントリ報告のある運用終了の資産の数 – 運用終了で、運用終了日以降にインベントリ報告があった資産の数

あなたの組織は、クリティカルなビジネス・システムは必ずサポート期間中の資産にホストするよう求めるポリシーを設けているかもしれません。そうしたポリシーがある場合は、各資産のサポート期間終了日を管理する必要があります。

  • 使用終了までの月数 – 使用終了まで何ヵ月あるか

運用終了を管理する場合は、以下のメトリックスで動向を追跡できます。

  • 使用終了が迫っている資産の数 – 使用終了予定が 3 ヵ月以内に迫っている資産の数

以下のメトリックスを管理することにより、さらに確実に資産ライフサイクルを効果的に管理できます。

  • 資産の経過月数 – 納品日から何ヵ月経過しているか

および

  • 資産の平均経過月数 – 資産の平均経過月数
  • 資産の最高経過月数 – 資産の最高経過月数

ブログ「ソフトウェア資産管理プログラム・メトリックスを管理し成果を引き出す」では、ソフトウェア資産管理プログラムに活用できるメトリックスについてさらに説明しています。

結論

以上のように、比較的シンプルな資産ライフサイクル・モデリングと、ステータス管理によって、資産の管理状況と、それに伴うソフトウェア・ライセンス・コンプライアンスのリスクについて重要な情報を得ることができます。

SAM/HAMマネージャーは「未知の未知」の最小化に取り組むべきときが来ています。

詳しくは当社の Web サイトをご覧ください:

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