SAP ライセンス – 解釈により異なるグレーゾーンにある条件を白黒はっきりさせて安価な契約に

SAP は世界 4 位の規模を誇るソフトウェア・ベンダーであり、多くの組織にとって重要な存在です。 同社の堅牢なアプリケーションは、エンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)、人事(HR)、カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)など、重要なプロセスをサポートしています。

主要プロバイダとしての地位を維持するには、多大なコストがかかります。…大規模な組織は長年、サービス保守の更新だけでなく、HANA、ビジネス・オブジェクト、SAP Cloud for Analytics(C4A)など、新たなテクノロジに対して年間数百万ドルの費用を投じてきました。

その結果、ソフトウェア・ライセンス・マネージャの仕事は過酷なものになっています。

SAP が顧客にもたらす実際の価値はアプリケーションに完全に依存していますが、顧客の側ではときに SAP アプリケーションのソフトウェア資産管理で途方に暮れることになります。

  • 運用チームは円滑な運用に精一杯で、SAP ライセンス・コストを気にかける余裕がありません。SAP ERP/CRM の例:
    • ユーザーは非常に複雑なプロファイルで構築されています。数十種類のロール(役割)があり、その中に数百種類の認証トランザクションがあります。
    • また、アカウントの作成時には、どのライセンス・タイプに割り当てるべきか予測するのが困難なので、ライセンス・タイプなしで作成されます。
  • SAP ライセンスを管理するチーム・メンバーは困難な状況に直面します。
    • ライセンス管理メンバ-は膨大な責務にさらされます。
      • デフォルトでは、あらゆるユーザーは Professional User となりますが、ライセンス・タイプなしで作成されたアカウントは数百万のリスクに発展します。
      • ユーザーのアカウントを正しく管理できない状況です。すべての新規ユーザーに対して SAP アカウントが作成されますが、本当に必要とされる要素については不明瞭なままです。退職した従業員のアカウントを破棄するプロセスも満足に規定されていません。
      • こうした制御できない状況の中で、3 億ドルの負債(価格表基準)を抱えることになったり、2 億ユーロの年次補正請求(コンプライアンス違反)を課されたりした企業も存在します。
    • SAP からも大きなプレッシャーがあります。
      • 他のソフトウェア会社と同様に、販売チームには年間売上目標があり、その数字は年々上昇しています。成熟した組織では、既存アカウントの維持だけでは不十分です。新たなテクノロジの販売や、ソフトウェア監査によるソフトウェア・ライセンスのコンプライアンス問題の発見といった手法で売上目標達成を目指す必要があります。機能不全の現在のソフトウェア・サプライ・チェーンでは、顧客が監査される立場になります。
      • 顧客の SAP ライセンス・チームはあまりにも無防備です。
        • 限られた情報を駆使して、200 を超えるシステムに分散した 70 万件ものアカウントを管理するのは、どのような人間にとっても至難の業です。
        • 解釈の異なるグレーゾーンにある条件の SAP ライセンスに惑わされるだけです(以下を参照)。
        • 監査時には、非難に耐え、この上なく不利な立場で交渉に臨むしかありません。

その結果、多くの SAP 顧客は、SAP Enterprise Agreement という安易で高額なオプションを選択することになります。この場合、一定の安定は保証されます。いわゆる「食べ放題」の契約で、あらゆるユーザーを「優待」価格で Professional として登録できます。あらゆる人員(SAP アカウント・マネージャや顧客側の SAP ライセンス・チーム)は重圧から開放されますが、顧客側の CFO は新たなコスト上昇に悩まされることになります。

こうした足かせをはずすことは非常に困難ですが、不可能ではありません。 それどころか、最初から足かせを逃れることも可能です。

この足かせの鍵となるのは、解釈により異なるグレーゾーンにある条件で掴みどころのない SAP ライセンスを白黒はっきりさせて、この管理された状況を SAP と顧客の双方にとって公平な契約に導くことです。

SAP が解釈により異なるグレーゾーンの条件を好む理由とは

  • SAP は、ユーザーのライセンス・タイプにユーザーの実際の作業を反映することを強制していません。SAP 開発者ロールに 10 分の 1 のコストで ESS ユーザー・ライセンス・タイプを割り当てることも可能です。
  • ライセンス・タイプの定義は公開されています(URL:英語版 – SAP User Types – SAP Support(SAP ユーザー・タイプ – SAP サポート))
  • しかし、この定義は非常に曖昧です。以下の 2 つのライセンス・タイプに同じような権限が割り当てられているのは周知の事実です。SAP Professional User は仕事のために SAP を必要としていますが、Limited Professional は権限が限られています。この曖昧な定義により、ユーザーごとに大きな違いが発生しています。
    • 「SAP Business Suite Professional User は、ライセンスされたソフトウェア(SBOP を除く)でサポートされる運用関連ロールおよびシステム管理/管理ロールを実行することを許可された登録ユーザーです。さらに、SAP Business Suite/ 個々の SAP ソリューションの Limited Professional User として付与される権限も含まれます。
    • SAP Business Suite Limited Professional User は、ライセンスされたソフトウェア(SBOP を除く)でサポートされる限定的な運用ロールを実行することを許可された登録ユーザーです。さらに、SAP Business Suite Business Information User として付与される権限も含まれます。ライセンス契約では、これらの Limited Professional User によって実行される限定使用権限について詳しく定義しています。」

契約では詳細は一切定義されず、曖昧さは解消されません。

  • それぞれのタイプには、割り当てを決定する未公開の表が存在します(ユーザー活動の測定結果によって決定)。しかし、未公開の表の一覧は明確に提示されず、表の更新については SAP 内でも追跡が困難です。
  • アカウントは、システムの違いを越えて統一されています。
  • さらに、間接的な使用:「SAP システムにアクセスするあらゆるサードパーティ・アプリケーションについては、そのサードパーティ・アプリケーションを操作するユーザーごとに、ユーザーが同様の作業を SAP システム上で行う場合に必要とされるタイプのライセンスを取得する必要がある」という、新たな圧力要因も確認されています。これはかなり過酷な規定であり、最近では、約 5,500 万ユーロが実際に Diageo に対して請求されるといった事例もありました(PCWorld:SAP license fees are due even for indirect users, UK court says – PC …(SAP ライセンス料は間接的なユーザーにも適用される – 英国裁判所の判断 – PC) を参照)。

SAP は非難されるべきか

  • 計画的に、白黒はっきりしたルールを作るのは非常に困難です。顧客と SAP パートナーは数百に上るトランザクションを成立させ、何らかの利益を生み出しています。中規模の顧客(2 万超の SAP ユーザー)では、13 万件の明確なトランザクションとレポートが生成されることも珍しくありません。
  • 間接的なアクセスについては、多くのソフトウェア・ベンダーも類似のルールを設定しています。

監査担当者より多くの情報を得ることが、企業を救う

重要なのは、ライセンスの話し合いで主導権を得て、公平な議論に導き、公平な契約を成立させることです。監査の際には、ベンダーや監査担当者と同等あるいはより多くの情報を得る必要があります。話し合う事実さえあれば、灰色のルールであっても、ごまかされることはなくなります。ルールが曖昧であっても、異議を唱えることが可能になります。ここでは、筆者が何度も経験してきた 2 つの典型的な事例を見てみましょう。

事例 1:カオス – SAP が主導権を持つ場合

  • 「お客様へ。当社の監査の結果、お客様にはライセンス・タイプなしの 5,000 件の統合アカウントが存在します。」
  • したがって、2,500 万ドルの支払い義務が発生します。ただし、400 万ドルをお支払いいただくことで、30% 割引で SAP HANA に移行できます。300 万ドルの経費増になりますが、売上げアップに貢献し、クラス最高のテクノロジを活用できるようになります。

事例 2:管理された状況

  • 「SAP 様へ。すべての結果をお伝えします。実際の使用状況に基づいてライセンス・タイプを定義させていただきました。
    • Limited Professional ユーザーの週単位の時間
    • ESS ユーザー用にこれらの 25 トランザクションを使用
    • 従業員ユーザー用にこれらの 145 トランザクションを使用
    • 開発者用の開発者キーを使用
    • さらに、私たちは、御社のようにアカウント名だけを基準とせずユーザー・アカウントを統合し、その他の重複ユーザーを削除しました。
  • また、退職者の 2,000 件のアカウントを破棄したことを伝えていませんでした。」

事例 2 の顧客は、SAP に対して交渉力を発揮しています。つまり、SAP との関係において、一方的に瑕疵を指摘される(「お客様へ。御社は間違いを犯しました。御社はご存知ないかもしれませんが、当方では把握しております」)立場から、冷静な話し合いに移行しているのが分かります。私は、準備を周到に整えた顧客がこうした事例で監査での非難を回避したケースを見てきました。

一方的にとがめられる子どもの立場から、大人と大人の関係に移行することで、積極的なライセンスの最適化によるメリットが得られます。

SAP ライセンスを最適化するための理想的なアプローチは以下のとおりです。

  • パワフルな SAP インベントリ・コレクションおよびソフトウェア・ライセンス最適化ソリューションを導入します。
  • アカウントの詳細、トランザクション履歴、サードパーティ・システムの RFC 接続、ユーザー・ロールを含むデータを収集します。
  • ユーザーのライセンス・タイプを実際の SAP 使用に合わせて割り当てます(トランザクションの実施/使用プロファイリング)。
  • 使用頻度の低いユーザー・ライセンスを破棄します。
  • ユーザー・ロールを変更し、SAP とのあらゆる話し合いを成立させます。
    • SAP はユーザー・ロールで想定される使用状況に異議を唱える可能性があります。
    • 文書化しやすい簡素化されたロールに割り当てた上で SAP と話し合うことができれば、良い結果が得られるはずです。
    • 不可能であれば(文書化などが難しいと判明した場合は)、ソフトウェア資産管理(SAM)ツールで提示できる実際の使用状況について事実に基づく話し合いができるように準備します。

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